結婚の由来について

日本には神話という物語が伝わっています。
結婚式の由来にはこの神話が大きく関わっているとされています。
神話上の男神・いざなぎのみこと、女神いざなみのみこと、が結ばれたことに始まるとされています。
いざなぎのみことといざなみのみことが天の御柱を巡って結ばれ、数多の神を生んだとされています。
この男神と女神にあやかり、男女は深く結ばれて次世代の新たな生命を生んで育むということが祈願されています。
この由来は現在の「神前式」のもので、明治34年から一般の方の間でも執り行われるようになりました。
その元となったのが前年の明治33年に行われた皇太子の大正天皇と後の貞明皇后である九条節子姫によるご婚儀です。
このご婚儀に基づいて定められたのが神前式です。
ですがそれ以前に結婚式の原型になった儀式が存在していました。
一般的には古墳時代から「妻問婚(つまどいこん)」という儀式が行われていたとされており、男性側が女性側に通うものでした。
これは女系制などの母権が強い社会でみられる婚姻形態です。
「妻問い」とは主に男性が女性のもとへ求婚することです。
妻問婚は婿入婚の1つで、「招婿婚(しょうせいこん)」ともよばれています。
妻問婚は男性が女性の下へ三日夜続けて通うことで成立するというものでした。
そのため儀式というには格調が足りないともいえるでしょう。
この妻問婚の元になったのは「夜ばい」といわれています。
夜ばいは平安初期まで残っており、貴族や氏族社会において家系をつなぐための重要な手段であったようです。
その後の平安中期に入ると夜ばいという制度が問題視されるようになって、ようやく養子の制度が生まれました。
また妻問婚はあくまでも貴族や氏族の中での慣習で、一般庶民は奈良時代ごろから「婿取り」という儀式が農民の間で行われていました。
この婿取りでは、妻問婚と同じように三日間、女性の家に通うものでした。
そして女性の家から餅をもてなされることで、男性は女性の家の一員となりました。
この餅のことを「三日夜餅」とよびます。
現在の結婚式の由来においてはさまざまな意見があります。
上記に記載しているものを前提としても、多彩な文化や風習などが取り入れられており、正確な由来というものが明確ではないとされています。
婚姻という制度の由来は明確ですが、儀式である結婚式にはさまざまな意見や見解があるようです。